研究開発情報

バイオプリンティング

細胞、DNA、タンパクなどを用いた印刷は、一般的にバイオプリンティングと呼ばれています。

多くの方が、細胞などを使って臓器を印刷することをイメージされるのですが、実際は2Dと3Dにおいて、その用途や使用される印刷装置が異なります。

  • 2D  DNA、タンパク、抗体などの印刷や注入(分注装置、塗布装置)
  • 3D  細胞や足場材料の3D積層による構造物作製(3Dバイオプリンター)
皆さんがイメージされる3Dバイオプリンティングはまだ発展途上であり、現状は複雑な組織や臓器を作る前段階の研究として、組織の基本構造物(足場や血管など)を印刷する段階です。

プリンティング技術として、2D・3Dともにインクジェット技術が応用されておりますが、皆様はプリンターにカラーインクの替わりに細胞が含まれるインクを入れるようなイメージをお持ちではないでしょうか?
実はそのような方法ではインクジェットプリンターのような印刷は実現できません。

今回はその理由を含め、入門編として2Dバイオプリンティングを中心に、ライフサイエンス分野へのインクジェット応用について紹介します。

ライフサイエンス分野へのインクジェット応用

有機ELをはじめ、電子デバイス分野ではインクジェット技術の応用研究が盛んに行われておりますが、その一方で、ライフサイエンス分野への応用はほとんど行われていませんでした。その理由はインクジェット技術のコアであるインクジェットヘッドにあります。ライフサイエンス分野で扱われる液体は、その多くが水系の液体であり、電子デバイス用に開発されたプリンター用のインクジェットヘッドでは吐出が困難です。
それは次の理由によります。
  • 液の粘度が低い
  • 細胞などの粒子が含まれる
  • 準備できる液量が少ない
インクジェット技術は、液とそれを吐出するインクジェットヘッドのマッチングが非常に重要であり、オフィスや家庭にあるインクジェットプリンターは、カラーインクを長期に渡って安定吐出できるように最適化されています。この背景はほとんど知られておらず、そのため、電子デバイス向けインクジェットヘッドで研究開発を進めると、安定した印刷を実現できずにプロジェクトが中断するケースが数多く見受けられます。

ライフサイエンス分野の液で安定した印刷を実現するためには、専用のインクジェットヘッドが必要であり、弊社では研究開発を進める皆様からご要望をいただき、10年以上前にライフサイエンス用のインクジェットヘッドを開発し、研究開発や生産において数多くのお客様にご使用いただいております。

以下に弊社が提供しているバイオ用インクジェットヘッドをご紹介します。

⟺ スクロールできます
GlassJetヘッド
                

ピコ~ナノリットルまでの高精度・高分解の分注に対応

「GlassJetヘッド」の詳細はこちらから     
PipeJetヘッド
                

ディスポタイプのナノリットル分注が可能      

「PipeJetヘッド」の詳細はこちらから


インクジェットは超高精度のピコ・ナノリットルの分注技術であり、DNAやタンパクなどの任意の位置に高密度に配置して作製するバイオチップ等の検査デバイス、その定量性を活かしたアッセイ開発などのスクリーニングなどで応用されています。
また、最近では新型コロナウイルスなどの感染症に対する診断チップ製造やラテラルフローテストなどにもインクジェットが活用されています。

これらはほんの一例であり、ぜひ自社材料でバイオプリンティングを試したいという方や過去に断念してしまった方は、一度弊社までお問合せください。

   


ホワイトペーパーはこちらから

インクジェット技術を応用したバイオマテリアル溶液の超微量定量分注 [001]

インクジェット技術を応用したバイオマテリアル溶液の超微量定量分注 ・細胞分注における課題
・インクジェット法によるシングルセル分注
・細胞株開発での活用
・シングルセル分離の成功率
・シングルセル分注後の生存率
・分離実績のある細胞 など

[001]ダウンロードはこちらから



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