研究開発情報

インクジェットで実現できる細線

学会の発表などでは、インクジェット法を使用した導電性インクによる1μmの配線が話題になりましたが、インクジェット方式といっても、これは現在最も量産化に近い可能性があるといわれる、ピエゾアクチュエータ方式のインクジェットヘッドを用いたものではありません。

ピエゾインクジェットにおける印刷可能な細線

では、ピエゾアクチュエータにより圧力波を発生させ液を吐出させるピエゾ方式では、どの程度の細線描画が可能でしょうか?

現在、量販店で販売されているインクジェットプリンタは1滴が1~2pl(ピコリットル)という仕様です。2plの液滴が空中を飛翔している状態での液滴の直径は、おおよそ15μm程度です。この直径15μmの液滴は、撥水処理された基板面上でさえ一般的に数倍に広がります。

つまり、一般的に言われているインクジェット技術においては、現状の細線形成レベルは30~50μm程度と考えられます。

細線を実現する補足技術

これ以下の細線を引く方法としては液滴に電荷を与える方式が研究されており、1ミクロン程度の配線が形成できたという報告もあります。この方式の問題点は、使用する液が限られているということと、まだ吐出できるノズルが1ノズルのみであるということのため、量産に向けては克服すべき課題が多々あります。

ここまではインクジェット技術について解説してきましたが、新しい技術として「エアロゾルジェット技術」があります。

これはミスト状の1~5µm程度の液材料粒子をノズルからOn-Offでデジタル制御しながらパターニングする技術です。
この技術では線幅10µm程度の細線を描画することができます。
マイクロジェットではインクジェットに加えて、このエアロゾルジェット技術と装置を米国のOptomec社から導入しました。
現在試作サービスを行っていますので、お気軽にご相談ください。

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