IJ Q&A

多くの分野で、インクジェット技術を活用しようと研究・開発がされているのはなぜか?

ピエゾ式インクジェットシステムを導入するだけで即座に目的の用途に使用できることは稀です。本技術を活用するためには技術と目的のすり合わせから始まり、技術を使いこなすノウハウや課題を発見しやすい機材、環境が必要です。
このように使いこなすための課題が多い技術ですが、工業用途を中心に世界の多くの分野で活用されようと研究、開発がなされています。この理由は何でしょうか?

インクジェット技術の強み

ピエゾ式インクジェット技術の特徴は、液体を扱う点、微小性、高速応答性、オンデマンド性、非接触印刷、デッドボリュームの少なさ、生産性の高さ、特殊環境が不要(大気環境で操作可能)など複数あります。

これらの特徴のどの点が注目されるかは、適用される分野に依存しますが、工業用途としてインクジェット技術の活用を考えた場合、注目される理由はオンデマンド性と生産性の高さの両立が可能な点です。

生産速度

まず、一般的な産業用インクジェットヘッドは5-10cm程度の印刷幅を持っています。このヘッドを秒速1mの速さで操作することで1秒間に5-10cmx100cmの領域を印刷することが可能です。さらにインクジェットヘッドを連結して使用できるという拡張性を有しているため、インクジェットヘッドを多数連結することで更なる生産性の増加が可能になります。10個搭載すれば10倍、1000個搭載すれば1000倍の生産性を理論的には実現できます。このような高い生産性をオンデマンド印刷において実施できることがインクジェット技術の持つ他技術にない優位性です。印刷工程において1つのインクジェットヘッドから1秒間に1000万以上の微小液滴を生成し、それらをすべてオンデマンドにON/OFF制御しています。ヘッド個数が増加させることで、オンデマンド性を維持しながら、生産性増加が可能です。

3Dプリンターへの応用

近年、応用・研究開発が多数行われている3Dプリンターの分野において、ピエゾ式インクジェット技術を用いた装置が多数開発されています。この一番の理由が上記のオンデマンド性と生産性の高さの両立になります。実は3Dプリンター装置において販売が好調な装置は、工業用途部品が作製できる金属の造形装置です。金属を造型できる装置の主流装置は、レーザーを用いて金属粉を溶融しながら造型する造形装置です。しかし、この手法は生産性が課題であったため、新たな造形装置として生産性が高いインクジェットタイプの装置開発が近年進められています。200億円以上の出資を受けているアメリカのベンチャーDesktopMetal社やプリンター世界最大手のHP社がインクジェット法を用いた高速金属造形装置の開発を進めています。

今回はインクジェット技術を用いた応用展開が進められる理由として、3Dプリンター分野での活用例を出しながらインクジェット技術のメリットであるオンデマンド性と生産性の高さの両立を説明させていただきました。

このような流れは各分野で起きています。自社の強みを生かすためにも、インクジェットにおける最新の研究例や装置化例といった世界の動向を把握することは重要です。

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