筑波大学/山岸准教授の研究成果がMaterials Advances誌に掲載されました
合成ポリマーから高い単分散性とサイズ調整機能を備えたマイクロ球状光共振器の作製
− インクジェット技術を応用した均一粒子生成 −
国立大学法人筑波大学の山岸准教授らは、インクジェット技術を応用することで、合成ポリマーから高い単分散性とサイズ調整機能を備えたマイクロ球状光共振器の作製に成功しました。
従来技術の課題
インクジェット技術は光学分野で注目を集めており、既に共振器の形成に応用されています。しかし、固化プロセス中に真球度や表面の平滑性を維持することが難しく、形成される形状は円盤状や歪んだ球状に限られていました。また、従来のインクジェット技術では使用可能な材料の種類が限られており、合成材料から球状構造を作製することは困難でした。本研究の成果
本研究では、これらの課題を克服し、合成ポリマーから単分散の球状光共振器を作製することに成功しました。適切なポリマー溶液を水中に注入することで安定した液滴を形成し、それが固化することで高い真球度を持つ粒子が得られます。これらの球体はサイズが均一であるため、自由スペクトル範囲やλ/FWHMにおいて一貫性があり、再現性の高い光学測定に有用です。さらに、水中においても明瞭な共鳴ピークを示すことから、生物学的センシングへの応用において高い可能性を示しています。掲載論文のご案内
この研究成果は、Materials Advances誌に掲載されています。
Materials Advances誌 掲載論文
論文情報
| タイトル | Monodisperse and size-modulable spherical optical resonators produced from synthetic polymers by inkjet printing toward applications under water |
|---|---|
| 掲載誌 | Materials Advances |
| 著者 |
Kariana Kusuma Dewi a, Hiroshi Yamagishi *a, Wey Yih Heah a, Sooyeon Kim b, Asuma Kubono b, Yuichi Taniguchi b and Yohei Yamamoto *a * Corresponding authors a Department of Material Science, Institute of Pure and Applied Science, University of Tsukuba, 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki, Japan E-mail: yamagishi.hiroshi.ff@u.tsukuba.ac.jp, yamamoto@ims.tsukuba.ac.jp b Institute for Integrated Cell-Material Sciences (iCeMS), Kyoto University, Yoshida-Honmachi, Sakyo-ku, Kyoto, Japan |
| 掲載⽇ | 2025年1⽉27⽇ |
| DOI | 10.1039/D5MA00176E |