苫小牧工業高等専門学校/渡邉准教授の研究成果がRSC Advances誌に掲載されました
単結晶作製プロセスにおける相図の効率的取得手法の確立
－ インクジェット印刷によるスクリーニング微細アレイの作製 －
独立行政法人国立高等専門学校機構苫小牧工業高等専門学校の渡邉准教授らは、当社インクジェット塗布装置 LaboJet-500を使用し、ガラス基板上にイオン液体などによる微細アレイ形成による単結晶相図を得るためのスクリーニング手法を確立しました。
従来⼿法では⼤量の試料を準備し、⻑期間の評価が必要でした。そのため、相図が得られず、結晶作製を試行錯誤に頼らざるを得ず、再現性などが課題でした。
本手法はインクジェット法とイオン液体を組み合わせることで、少量の試料を、短時間で、同時に複数条件の評価が可能になりました。インクジェットの吐出溶液は液量が減らせる半面、蒸発速度が速くなり相図取得が難しいというトレードオフをイオン液体の不揮発性で解決したのがポイントです。これにより、結晶作製時の試行錯誤を脱却し、再現性の良いプロセス制御が期待できます。
従来法とインクジェット法の比較
掲載論文のご案内
この研究成果は、RSC Advances誌に掲載されています。
RSC Advances誌 掲載論文
論文情報
| タイトル | Open micro-combinatorial analysis systems of crystal growth critical points of a π-conjugated molecule in ionic liquid nanoliter droplets |
|---|---|
| 掲載誌 | RSC Advances |
| 著者 | Satoshi Watanabe, *a Shun Inouchi b and Masashi Kunitake c a. Division of Applied Chemistry and Biochemistry, National Institute of Technology, Tomakomai College, Nishikioka 443, Tomakomai, Hokkaido 059-1275, Japan E-mail: watasato@tomakomai-ct.ac.jp b. Graduate School of Science and Technology, Kumamoto University, 2-39-1 Kurokami, Chuo-ku, Kumamoto City, Kumamoto 860-8555, Japan c. Institute of Industrial Nanomaterials, Kumamoto University, 2-39-1 Kurokami, Chuo-ku, Kumamoto City, Kumamoto 860-8555, Japan |
| 掲載⽇ | 2025年3月18日 |
| DOI | 0.1039/d5ra00170f |