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インクジェットヘッドの選定

メーカー仕様書には載らない重要情報からヘッドを選定

インクジェット研究で最も大切なことは、研究の最初の段階において研究目的に最適なインクジェットヘッドを正しく選定することです。
工業用途に適したピエゾ方式のインクジェットヘッドを選定するためには、世界中にある10社以上のヘッドメーカーから提供されている50種類以上のヘッドの中から選ぶ必要があります。 最適なヘッドを選定する最もよい方法は、実際に使用する液材料を吐出させてみることです。しかしこれは現実的には不可能です。
当社では25年以上に渡って、各社のヘッドを実際に扱い、様々な液材料の吐出実験を行ってきました。その実験組み合わせは、1000種類を優に超えます。この経験を活かしてヘッドの仕様書にも載っていない重要な要因まで考慮した上で、研究目的に最適なヘッド選定を行います。

インクジェットヘッドの種類

インクジェットの吐出原理は大きくピエゾ方式とバブルジェット方式に分けられます。
工業用途では水系以外の吐出液材料が用いられることが多いため、ピエゾ方式が主流です。
ピエゾ方式もノズルの数によってマルチノズルヘッドとシングルノズルヘッドに分類されます。
マルチノズルヘッドの多くは、プリンター用に開発されたもので、電子デバイスを製造する際に使われるヘッドは多くの場合プリンター用を流用するか、ヘッドの接着剤を変更したマイナーチェンジのヘッドです。
工業応用研究において、目的に適したインクジェットヘッドを選択する際には、多くの場合ヘッドメーカーが開示しているヘッドの仕様書を元に検討します。
実際には液滴体積や適応粘度範囲等の仕様から選択が行われますが、この開示されている仕様だけでは最適なヘッドを選ぶことは困難です。
一例として電子デバイスを製造する場合は、特殊な液材料を使うためヘッドの耐液性が問題になります。
また、バイオ用途では多くの場合水溶液であることや細胞等の粒子が含まれているため、通常のマルチノズルヘッドでは安定吐出がほとんどの場合困難です。
さらに、バイオ分野では多種類の液を1ノズルから吐出させる用途がほとんどですが、マルチノズルは1種類の液に対して、ノズルが多数形成される構造であるため、多種類の液を扱うことには向いていません。
これらの理由によりバイオ用途には専用に開発されたシングルノズルヘッドが適しています。

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