粒子を作る

インクジェット法による粒子生成

インクジェット技術は均一な液滴を高速で生成する技術ですが、これを応用して均一な粒子を作る事が可能です。
通常粒子はスプレー法で生成するケースが主流ですが、粒度分布がブロードになり粒径のバラツキが大きくなります。
インクジェット法は再現性が極めて高い方法でピエゾ素子を駆動しますので生成される粒子も極めて粒径が揃った粒子となります。

プリンターとは異なるコンティニュアス法

空気中で粒子を作製する手法として、プリンターのようなインクジェットのオンデマンド法以外に、コンティニュアス法があります。 コンティニュアス法は常に液滴を粒子化させて生成し続ける手法です。
オンデマンド法に比べて、液物性の制限が少なく、多くの液に対して対応可能です。空気中にあるサイズを持った粒子を大量に作製したいような場合には、このコンティニュアス法が有効です。

粒子サイズの調整

動画で確認できる通り、インクジェットヘッドへの信号入力によって、数10μm~数100μmの粒子が形成されます。
コンティニュアス法による粒子作製は、圧力とピエゾ駆動によって実現しています。圧力によってノズルから射出された液柱に対し、ピエゾ駆動による圧力波が加わることで液柱に節が発生します。この節に対し、表面積を最小化させる働き(レイリーの不安定性)が発生し、液柱が粒子化することで形状再現性の高い液滴が繰り返し生成されます。
生成される液滴のサイズは、圧力、周期等を変更することで可変できます。

ゲル状の粒子生成

ゲル状の粒子を作製する場合は、ゲル化するための反応液に作製した液滴を注入することで実現します。
インクジェット液滴はサイズが小さいため、反応液への衝突の瞬間に一時的に形状が崩れますが、表面張力によりわずか数msで真球形状に戻ります。このため、粒子化が可能となります。

空気中での2液混合

インクジェットヘッドから生成された液滴は、形状再現性が良く、高い位置精度で飛翔します。
この特徴を活かすことで、生成した液滴同士を空気中で衝突させることが可能です。
混合・反応させ、粒子を作製することも可能なため、従来扱えなかった液の組み合わせを実現できる可能性もあります。