マルチノズルヘッド

世界のインクジェットヘッド

産業用マルチノズルインクジェットヘッドを取り扱うヘッドメーカーは、世界に数十社あります。
各社は多種類のヘッドを扱っており、非常に多種多様な産業用インクジェットヘッドが市場に提供されています。

メーカーから提供されるヘッドの仕様を見ると細かい違いはありますが、解像度や吐出量など、どのメーカーも似通った値を持っています。これらのヘッドに対して、どのメーカーのヘッドを使うか、どのタイプのヘッドを使うかは、産業応用を検討するユーザーにとって非常に重要なことです。

多くのヘッドは印刷用に開発されたものですから、印刷分野で使う際にはどのヘッドを使うかはスペックを見て決めれば、それほど問題はありません。
しかしながら、ものづくり等の産業用途で使うとなると、話は別です。なぜならば、本来使う想定をしていない液材を使うため、液材によっては様々な問題が出てくるからです。

ヘッド選定の重要性

インクジェット技術はヘッドと液のマッチングが非常に重要です。
それにも関わらず、インクジェットの研究開発を始めるときにインクジェットヘッドを各仕様書だけを見て決めているケースが見受けられます。
仕様書だけでは読み解けない各社ヘッドの違いがあることをご存知でしょうか?

まず、個々のヘッドには、仕様書に記載されている内容以外に大きな違いが隠れています。仕様書に記載されている主な値は、吐出量、ノズル数、解像度(ノズルの間隔)になります。
各社高解像度、小滴な吐出量のヘッドを用意してきており、吐出量は10pl未満、解像度は400~600dpiが現在の主流です。
仮に吐出量も有意な差が無く、解像度も同じような場合、どのヘッドを用いてもユーザーが得られる結果に大きな差は無いのでしょうか?

残念ながら、答えはNOです。 仕様書に記載された情報が似ていても、ヘッドを構成する部材や構造、吐出原理は異なります。

まず、構成される部材の材質によって、使用する予定の液との反応性が異なります。
これにより、ヘッドと液の組み合わせ次第で長期信頼性に大きな違いが出ます。
また、一般的にヘッドメーカーから開示されないデータの一つに、液の導入性能があります。
導入性能の良いインクジェットヘッドと液の組み合わせの場合、ヘッドに液を容易に導入できますが、導入性が悪いヘッドと液の組み合わせの場合、大量に液材を消費するような事態になりかねません。
また、使用する液の物性とヘッドとの構造の関係次第で、吐出過程でのミスト(微小液滴)の発生しやすさが異なります。
ミストが発生しやすいヘッドと液の組み合わせでパターニングを行うと、ファインなパターンの周辺に微小なミストが付着することになります。

各社ヘッドの比較評価について

ここまで見てきたように、ヘッドメーカーのヘッドは、仕様書に記載されている特徴以外の大きな違いを各ヘッドで持っています。
どのヘッドを用いるかによって、目的のインクジェット応用におけるゴール到達のための難易度が異なります。
ましてや印刷用のインクとは異なる液材を使用するとなれば、なおさらこのヘッドの選定が重要となります。
そのため開発の場においては各社各種のヘッドを用いて実際に評価できることが理想です。
しかし、コスト面からそのような対応は難しいため、せめて各社のヘッドの特徴を把握し、目的にかなう可能性の高いヘッドを選定することが重要になります。

当社では1台の装置で複数のヘッドメーカーのヘッドを交換しながら実験できる装置DevicePrinter-CXをはじめ、各社ヘッドを使用してお客様の材料に最適なヘッドを選定するヘッド選定サービスを提供しております。

当社装置へ搭載可能なインクジェットヘッド

マルチノズルヘッドについては当社は下記のヘッドメーカと提携しています。


自社の目的に最適なヘッドの選定につきましては、まずは各社のヘッドスペックを参考にしながら検討し、その後当社にご相談ください。
当社はほぼ全てのヘッドの使用経験を有しておりますのでそれらを元にヘッド選定サービスを行っています。
メーカー開示の仕様書は基準が統一されていないため、その真の理解には実際の使用経験が重要となります。
また、仕様書には掲載されていない重要なデータ(例えば耐液性、液の導入姓など)についても当社は長年の使用経験からデータを蓄積しています。

取り扱い会社名 ※五十音順

当社では、下記マルチノズルヘッドを搭載可能な装置を販売しております。

※ マルチノズルタイプのインクジェットヘッドは、ヘッド単独での販売はしておりません
※ インクジェットヘッドは専用のヘッドコントローラやソフトと組み合わせてお使いいただきます

概仕様

⟺ スクロールできます
            
メーカー名 コニカミノルタ 東芝テック 富士フイルム リコー
ヘッドタイプ名 KM1024i CF1
/CF1L/CF1XL
Samba G3L(*) StarFire Galaxy JA MH5420
/MH5440
MH5421F
/MH5421MF
MH2620
/MH2820
ノズル数 1024 636 2048 1024 256 1280 1280 384
解像度[npi] 360 300 1200 400 100 600 600 150
ノズルピッチ[μm] 71 85 21.2 63.5 254 42 42 170
吐出量範囲[pl] 6-42
13-90
30-180
6-42
57-80
36-180
2.4-
13.25
6-20
12-33
30-80
80-200
30
50
80
7-35 7-21 15-45
27-54
吐出可能粘度範囲
[mPa・s]
4-6/7-12 7-15 2-10 8-20 8-20 8-20 8-20/4-9 8-20
適正液種 水系/
UV系
溶剤系
UV系
溶剤系
水系
UV系
溶剤系
水系
UV系
溶剤系
水系
UV系
溶剤系
水系
UV系
溶剤系
水系
UV系
溶剤系
水系
UV系
溶剤系
各社詳細ページ 「コニカミノルタ」
KM1024i
シリーズ
「東芝テック」
CF1/CF1L
/CF1XL
「富士フイルム」産業用インクジェットヘッド 「リコー」 TH/MH/GH

* 「Samba G3L」は今後搭載予定のヘッドとなります
※ 「内蔵ヒーター有無」「最大加熱温度」「ノズル近傍循環有無」に関しては、お問い合わせください
※ 仕様は予告なしに変更することがあります
※ 詳細はお問い合わせください

搭載可能装置

⟺ スクロールできます

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