研究開発情報

メンテナンス機構の重要性

ピエゾ式インクジェット技術はデジタル性、高速応答性、非接触印刷などの強みがあるため、多くの分野で生産装置、事業化への取り組みがなされています。

インクジェット装置作製ハードルの低下

世界に約10社存在するインクジェットヘッドメーカーの内多くが日本のメーカーですので、インクジェットヘッドの入手は容易です。また、近年インクジェットヘッドを制御するヘッドドライバー基板を販売するメーカーが世界で数多く存在しています。このため、ヘッド制御コントローラ基板を開発するための多額な開発費をかけなくてもヘッド制御が可能となりました。

このような背景もあり、多くのエンジニアリングメーカーから様々な用途向けのインクジェット法を用いた生産装置が提供されています。

インクジェット装置化における課題

しかし、多くの会社から生産装置が販売されているにも関わらず、生産の現場では課題が多発しており、そのような課題解決を望む声が当社には多く届いています。

正しくインクジェットヘッドを制御し、高精度で操作できているにも関わらず、課題が発生するのはなぜでしょうか?

実は、メンテナンス機構が十分に確立されていないために起こっている課題が多く存在します。

信頼性確保にかかわるメンテナンス機構

インクジェット技術を用いた生産を行う上で一番の課題は信頼性の確保です。
繰り返し同じインクジェット吐出状態を得て、安定した生産を行うためには、インクジェットヘッドの状態を正常な状態に保つ必要があります。正常な状態を保つために必要な機構がメンテナンス機構です。

生産で求められる品質や液の特性、インクジェットヘッドの特性を考慮したメンテナンス機構の設計がされていない場合、繰り返しの動作を続けることで徐々に状態が悪化してしまう例が見受けられます。
メンテナンス機構といった場合、キャップ機構、クリーニング機構、ワイピング機構など複数の機構が含まれます。
この機構に求められる制御や材質は、使用するインクの特性やヘッドの特徴によって異なります。ワイパーの材質一つとっても重要です。

各社のインクジェットヘッドがどのような特徴を持っているかを把握し、自社の用途に適したメンテナンス方法を確立することは信頼性を確保する上で非常に重要です。

メンテナンスシーケンスを確立するための試験

生産装置を作製する際には、メンテナンス方法の確立を行うための試験を行うことが求められます。また、そもそも生産装置におけるメンテナンス機構に関して情報が無いのであれば既存の生産装置の研究や情報を持った企業から技術セミナーやコンサルを受けるなどの対応が必要です。

このような対応を進めることで、自社内でインクジェット技術への理解やノウハウといったソフトを構築していく対応が求められると思います。

なお、当社では長年、研究開発や生産装置化の分野における技術的サポートといったソフト面でのサービスを実施させていただいています。

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