IJ Q&A

仕様書だけでは読み解けない、各社ヘッドの違いとは?

仕様書に記載されている主な値は、吐出量、ノズル数、解像度(ノズルの間隔)になります。
各社、高解像度、小滴な吐出量のヘッドを用意してきており、吐出量は10pl未満、解像度は400~600dpi以上が現在の主流です。
仮に吐出量に有意な差がなく、解像度も同じような場合、どのヘッドを用いてもユーザーが得られる結果に大きな差はないのでしょうか?

残念ながら、答えは「NO」です。

仕様書に記載されないヘッドの違い その1

仕様書に記載された情報が似ていても、ヘッドを構成する部材や構造、吐出原理がヘッド毎に異なるため、使用する液との組み合わせ次第で得られる結果が異なります。

まず、構成部材の材質によって、使用する液によるアタック性が異なります。
これにより、ヘッドと液の組み合わせ次第で長期安定性に大きな差が生じます。
このような、液によるヘッド部材へのダメージといったわかりやすい課題だけでなく、液と部材との相性によって長期使用時に吐出特性が影響を受けるようなケースも存在します。

仕様書に記載されないヘッドの違い その2

また、ヘッドの種類ごとに吐出特性・吐出状態も異なります。
ヘッドの構造や吐出原理がヘッドメーカーごとに違う上に、それぞれのヘッドと液物性との間にも相性があるためです。
そもそも、どのヘッドも、使用する印刷用のインクが最も特性を発揮できるように最適設計されています。
そのため、その液物性と異なるインクや液材を用いた場合には、吐出能力に大きな差が出ることになります。

ざっと紹介させていただきましたが、上記はほんの一例です。

ヘッドの特徴を知る重要性

ヘッドメーカーのヘッドは、仕様書に記載されている特徴以外の大きな違いを各ヘッドで持っています。
どのヘッドを用いるかによって、目的のインクジェット応用における難易度が異なってしまうのが実情です。
開発の場においては、各種のヘッドを用いて評価できることが理想ですが、コスト面からそのような対応は難しいため、せめて各社のヘッドの特徴を把握しておくことが重要になります。

なお弊社では、インクジェットヘッドの違いや、各液物性と吐出特性との相関など、インクジェット研究開発における重要な基本情報をお伝えするセミナーを実施しています。
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