IJ Q&A

インクジェット技術を応用した研究をスタートする場合、どのような進め方がいいか?

研究の場でよく見られる例が市販のカラープリンターを購入し、インクを入れ替えて実験するケースです。
この場合、初期費用は少なく済みますが、多くのケースでは目的のことが実施できません。
すでに実用化されている市販のカラープリンターは、色材インク用に最適化されたシステムであり、色材インクとは別のインクを用いるとトラブルが発生します。
また、そもそもカラープリンターが目的としているカラープリントを別の目的で使用するためには、新しい目的に合致した別の装置が必要です。
仮に改造したカラープリンターで何かができたとしても、サンプル作製過程で多くの課題の発生が予測されます。
その際、課題を観察する機構が備わっていないカラープリンターを使用しても、なかなか問題解決は進みません。

インクジェット技術において取り扱う液体は、低粘度の流動性のある微小液滴です。
基板上で流動する微小液滴が、各ノズルから高速かつ大量に生成されます。
これらの液滴が狙った位置にもれなく吐出されることで、初めて目的とする印刷が達成されます。
外部の影響を受けやすく、かつ短時間に大量に生成される現象であるため、実際に使用してみると多くの課題が発生します。
そのため、ヘッドの仕様書情報をもとに最初から生産装置を構築したような場合は、作製物の品質安定性が得られず、何が課題なのかわからないといった事態にもなりかねません。

研究を効果的に進める上でのポイント その1
そのような状態を避けてインクジェット技術を用いた研究を効果的に進める上での第一のポイントは、課題の判別が容易となる観察機構が充実した装置を用意して研究を進めることです。
新たなデバイス開発などの研究の初期段階では観察機構は必須です。
充実した観察機能が搭載されていることで、課題の判別が正確かつ迅速になり、効果的な対策が打てます。

研究を効果的に進める上でのポイント その2
そして第二のポイントは、インクジェット技術を取り扱う上で技術への深い理解や実際の操作ノウハウの習得を進めることです。
この第二のポイントを効果的に進めるためには他社の協力が必要です。
技術への理解やノウハウを習得するために、0から自社のみでトライしていく方法は当然開発期間が長くなります。
実際にトライしてみないとわからない課題や技術ごとの特徴が多くあることも事実です。
したがって、専門的な技術を持った会社に相談することが効率的にノウハウを蓄えるための重要なポイントになると思います。

インクジェット技術を用いた応用研究の適切な進め方
まずは経験豊富な会社に相談し、十分な情報を集め、次に検証実験によって技術との適合性を見定め、必要に応じて装置をレンタルし、実験を委託してFeasibility Studyを行い、終了後に適合性が高い場合は装置を購入し研究を進める、といった流れがインクジェット技術を用いた応用研究の適切な進め方かと思います。

なお、弊社では、液体デジタル制御技術の適合可否をお伝えする技術相談の他に、弊社ノウハウを提供しながら、お客様と一緒に初期評価を行う委託実験、当社ラボにて装置をご利用いただくレンタルラボサービス、装置を数ヶ月お貸出しする装置レンタルサービスを実施しています。
また、弊社ノウハウをお客様に提供し、お客様のインクジェット技術への理解を深めることを目的としたセミナーも開催しています。